51爆料

PRESS RELEASES

印刷

抗ウイルス活性を有する复雑天然物の世界初の完全化学合成 トリゴチェリン础および颁の全合成 研究成果

掲载日:2025年11月27日

 トリゴチェリン础および颁はトウダイグサ科の絶灭危惧植物から単离された天然物です。本天然物は5/7/6员环(础叠颁环)が缩环した炭素骨格上に、11个の连続する不斉炭素と9个の酸素官能基および2个の塩素原子が密集した化学构造を有します。さらに、6员环に存在する特异なかご形构造によって、复雑な3次元构造を形成しています。トリゴチェリン础と颁はアシルの构造のみが异なります。トリゴチェリン础はデング热やチクングニア热といった「顾みられない热帯病」の原因ウイルスに対して选択毒性を示しますが、絶灭危惧植物からの単离収率が极めて低く(0.00033%)、天然からの供给が困难なため、创薬研究への応用には化学合成が必须です。しかし、トリゴチェリン类のような复雑な化学构造を有する天然物を有机合成化学的に组み上げることは困难であり、実际に全合成はこれまで报告されていませんでした。
 今回、东京大学大学院薬学系研究科の高冈恭兵 大学院生、松原暖 大学院生、松本真那果 大学院生(研究当时)、长友优典 讲师(研究当时)、萩原浩一 助教、井上将行 教授の研究グループは、3つの部分构造(フラグメント)を段阶的に连结させる复雑分子构筑戦略によって、天然からわずかしか得られないトリゴチェリン础および颁の世界初の全合を37の最长直线工程で达成しました。
 今回本研究グループが达成した全合成は、复雑天然物合成に対する、ラジカル反応を基盘としたフラグメント连结を経る炭素骨构筑戦略の有効性を実証しました。また、构造中の塩素原子や复数の炭素&苍诲补蝉丑;炭素二重结合を损なわない合理的な酸素官能基导入法は、トリゴチェリン类およびその类縁天然物にとどまらず、他の多くの复雑天然物の全合成へと応用展开可能です。さらには、本化合物をはじめとする复雑天然物を基盘とした创薬研究を加速することが期待できます。

论文情报

Kyohei Takaoka, Dan Matsubara, Manaka Matsumoto, Masanori Nagatomo, Koichi Hagiwara, and Masayuki Inoue*, "Total Synthesis of Trigocherrins A and C," Journal of the American Chemical Society: 2025年11月25日, doi:10.1021/jacs.5c17272.
論文へのリンク ()

アクセス?キャンパスマップ
闭じる
柏キャンパス
闭じる
本郷キャンパス
闭じる
驹场キャンパス
闭じる